2022年3月1日火曜日

「輪投げ」と「食の歳時記」プロジェクト!


こんにちは。時々島キッチンにいる斉藤です。

 昨年11月、島キッチンでは十夜のお食事のご注文をいただきました。

「十夜?」「十五夜じゃなくて??」

唐櫃では毎年11月14日に十輪寺で行われている法事で、銀杏ご飯を食べる風習があるそうです。

何年も豊島に通っていても、島の食卓については、まだまだ知らないことがたくさんあるのだ!と改めて気づかされた出来事でした。

十輪寺の銀杏の木

そこから、郷土料理や年中行事、島のみなさんに親しまれている食材などについて、もっと知りたい!という思いがむくむくとわいてきました。

どこへ行ったらお話を聞けるのだろう?とあちこちに聞いたところ、老人会のみなさんなどが島内各集落で開催している「輪投げ」の会の存在にたどり着きました。

ということで、年明けから各集落にお願いして回り、1月19日に唐櫃、1月24日に家浦、2月8日に甲生の輪投げ会に参加させていただきました!

輪投げにも初挑戦!

この輪投げが想像以上に白熱したものだったのにもびっくりなのですが、輪投げのあとに、参加者のみなさんにお話を聞いてさらにびっくり!
食べ物の話はどの地区でも大盛り上がりで、たくさんお話を聞かせていただきました。

おいしいものや自慢の野菜の話が次々に出てきます

季節ごとの食材や、なじみの深い料理について聞かせてもらい、ひとつずつ付箋に書いて貼り付けていったところ、1月から12月までに区切った下地の表が見えなくなるほどのボリューム。
あっという間に、豊島の食の豊かさを実感できる歳時記ができました!

黄色が唐櫃、赤が家浦、白が甲生での話題です。

お話しいただいたのは、

・あんもち、ふぐ出汁のおすましなど、家庭のルーツによって異なるお雑煮のこと
・「てっぱい」「かんころ」など耳慣れない料理のこと
・手作りの味噌も、唐櫃は赤味噌、家浦は白みそ、甲生は田舎味噌と違うこと
・他の地域では臭いといわれる夏のボラも、この辺りの海で育ったものはおいしいこと
・豊島で栽培されているゴマは、白ゴマでも黒ゴマでもなく、茶ゴマであること
・大豆をすりつぶして出汁を加えた「ごう汁」は昔懐かしい島の味…と思っていたら、今も日常的に食べられていること(「今日も食べてきたわ」という方がいてびっくり!)

などなど。

関東出身の私には恥ずかしながら、どれをとっても「ええー!?」っと驚く話ばかり。
みなさんが楽しそうに話していた、大学いもや木の芽和えなどは、島キッチンでもできそう!?作れたらいいなぁ♪と思いました。

こうして各集落で顔を合わせてお話をするのも普段はなかなかないことで、島キッチンのお弁当などについてのご意見や、島のお誕生会などのイベントに関する提案など、ざっくばらんにお話いただけたのも嬉しかったです。

また、改めて、「芸術祭ってどんなしくみなの?」「こえび隊って何をしているの?」といった質問に答える場面もあったりして、知っているようで知らないお互いのことを、肩ひじ張らずにたずね合えたこともあり、参加したスタッフ一同この「輪投げ」に無限の可能性を感じ始めているところです。

ご協力いただいたみなさま、どうもありがとうございます。

真剣勝負の輪投げも、とても楽しかったので、ぜひまた参加させてください♪


盛り上がり方も集落ごとに違っていておもしろかったです。